社会医療法人真泉会

今治第一病院

病気について

下肢静脈瘤:レーザー治療(患者様に優しい低侵襲治療)

下肢静脈瘤に対する最新の血管内治療法を始めました。

当院(今治第一病院)ではエンドレーザー法(※1)(EVLT:Endovenous Laser Treatment)という下肢静脈瘤の新しい治療法を始めました。 この治療法は、皮膚の上からレーザーを照射するレーザー治療とは違い、下肢静脈瘤の原因となっている逆流のある静脈に直径1mm程度のレーザーファイバーを挿入しレーザー照射を行い、静脈を熱で閉塞させ、その結果静脈の逆流は止まり、静脈瘤は縮小・消失させてしまう治療法です。 従来より行われている血管を抜去(ストリッピング)する手術に代わる治療法で、体に優しく安全な治療法です。日帰り治療も可能です。 手術はTLA(※2)という局所麻酔下で行い、手術時間も短く(約20分)、手術中の体の負担も少なく、治療後の皮下出血や痛みも少なく、カテーテル挿入部の傷のみ(約2mm)で傷跡も目立ちません。下肢静脈瘤を根本的に治療することが可能です。

※1 エンドレーザー法:1998年にスペインのCarlos Bone医師らが初めて行いました。2001年にアメリカのLuis Navarro医師が現在行われている形のエンドレーザー法を報告し、今ではアメリカやヨーロッパのみではなく韓国や中国などアジアの国々でも広く行われています。 ※2 TLA (Tumescent local anesthesia):低用量の局所麻酔剤(通常の局所麻酔リドカインの1/10)の濃度で使用します。これを静脈の周囲にたくさん注入してレーザー治療を行います。濃度が薄いため大量に使って広範囲に麻酔をすることが可能です。この麻酔法は超音波で注入する場所を見ながら行うので、高度な技術を要します。全身麻酔では麻酔からさめてからしばらく大変ですが、この麻酔方法の良い点は治療が終わればすぐに歩けることです。また食事もすぐに開始できます。レーザー治療の場合は、治療中の痛みもほとんどありませんので、患者様と会話をしながら治療を進めていきます。静脈瘤のかたは血液の固まりやすい傾向のかたがいますので、手術後にすぐに動けることは静脈血栓症の予防の意味でもとても重要なのです。局所麻酔で静脈瘤の根本的治療を行っているところはまだ非常に少ないのが現状です。

レーザー法は国際的にも広く認められ行われている大変優れた方法です。

平成23年1月より保険内診療となりました。

方法 静脈内でレーザーを照射し、血管を閉塞する方法
適用 伏在静脈瘤
麻酔の方法 局所麻酔
入院の必要性 日帰り手術
手術後の傷跡 なし
治療時間 約30分
再発率 殆どなし
シャワー 手術当日より可能
食 事 普段と同様
外来通院 術後2日目・7日目・約1ヶ月後
術後の痛み・突っ張り感 約2~5日間
副作用 血腫・硬化・圧痛・表在部血栓性静脈炎・深部静脈血栓症
費用(目安) 自己負担:3割:約60,500円・1割:約20,500円

* レーザー法の適応:大伏在静脈及び小伏在静脈に逆流がある静脈瘤

当院では画期的な静脈瘤の治療できる機器があります。

一般的に子供の病気と思われがちですが、そけいヘルニアは筋膜が弱った状況で発生するため、むしろ日常的に重いものを運んだり、立ち仕事などの同じ姿勢を続けてきた人、肥満気味な人、加齢によって体の組織が衰えた中高年層などに多く、年間の患者数が約15万人と言われています。

ドイツBiolitec社製 ELVeS(エルベス)

構成:ダイオードレーザー  波長:1470nm 出力:15W

★ 当院では1470nmを使用しています。

海外での承認・使用状況

承認・認証状況

EU 2001年
アメリカ 2002年
韓国 2002年
南米各国 2002年~2004年
オーストラリア 2005年

使用状況

アメリカ:400~450カ所の施設で30000症例以上(2005年)
アメリカ以外:約350カ所の施設で20000例以上(2005年)
アメリカでは保険承認されています(2005年1月~)

レーザー1470nmの特徴

1470nmは980nmと比べ、水に対する吸収率が高く、ヘモグロビンにもある程度吸収されるので血管内では血液に効率よく吸収されます。

血管内レーザー照射による血管閉塞の作用

現在行われている伏在静脈の治療法との比較

ELVeSによる治療(レーザー治療)

既存の治療方法

レーザー治療に関する質問です。

既存Q : 質問

初めまして 私は○×市に在住の40代女性です。下肢静脈瘤のレーザー治療について僭越ながらご質問させて頂きたいのですが…インターネットで色々調べていましたら和歌山の○クリニックのHPの静脈瘤Q&A欄に「最も多くに使われているのは波長810~960mmのダイオードレーザーですが、このレーザーは治療中に1000℃もの高温に達する為 血管に穴があいたり、血管の周囲に炎症を起こします。治療後、広い範囲に皮下出血が起こったり、なにより強い痛みがでる事が多く問題となっております。」と記載されています。ちなみにこのクリニックは、そういう事のないパルスヤグレーザーというらしいのですが…第一病院の曽我部先生が静脈瘤の権威者であるとお聞きしましたのでネット検索をしてレーザー治療を開始したのを知りました。そちらもダイオードレーザーとの事ですが、万が一治療をお願いする場合、失礼ながら上記のような心配はしなくてよいのでしようか? 大変失礼かとは思いましたがお尋ねさせて頂きました。さしつかえなければよろしくお願いします。

既存A : 回答

おはようございます。HPの閲覧ありがとうございます。 ご質問の件ですが、以前使用していた980nm半導体レーザーでは、術後の皮下出血は大なり小なり認めますが、これは2~3週間でほぼ完全に消失し、これによる障害は認めておりません。またパルスヤクレーザーは最大5Wと低出力の為、治癒率が低いとの報告もあります。 当院のELVes社製レーザー装置は、5~15Wの範囲で使用でき、皮下出血も最小限にする為、血管径に応じた出力で使用しておりますので、血管に穴があいたり、強い痛みが出たり等の問題は今のところ認めておりませんので、ご心配なく安心して治療を受けて頂けておりますが、今回さらに患者様に低侵襲な治療ができる最新の1470nmダイオードレーザーを導入して治療をおこなっております。

既存Q : 質問

私の母のことですが通院中の病院からストリッピング手術を勧められ、来月手術をする予定になっています。1日入院で保健がきくとのことでした。 相談です。ホームページをみると、レーザー治療がとてもよさそうなのですが、東京の病院ではダイオードレーザーよりもパルスレーザーが良いとの説明がほとんどです。どちらが主流なのでしょうか? 出来ましたら、ご返答いただくと幸いです。

既存A : 回答

GWも終わり、ますます気後もよくなって大変過ごしやすくなっています。 HPの閲覧どうも有り難うございます。 お母様の体の具合はいかがでしょうか? さて、静脈瘤レーザー治療の件ですが、 ストリッピング手術、高位結紮術・硬化療法は保険適応で、レーザー治療は保険適応ではありません。なので治療費は治療を行っている病院それぞれで、 当院では日帰り手術を行っております。 費用等はHPの病気について→下肢静脈瘤を参考にして頂けたらと思います。 当院の静脈瘤のレーザー治療はダイオードレーザーにて手術を行っております。 今後、静脈瘤治療はダイオードレーザー治療が主流になっていくものと思います。 当院のダイオードレーザーは出力が強い為、静脈瘤を早く治せると思います。 ダイオードレーザーの特徴としては、侵襲性が低く痕が残りません。手術は簡便で、局所麻酔で行われ、短時間で済みます。 基本的に外来の手術で、すぐに通常の生活に戻れます。感染のリスクや術後の痛みは殆どありません。HPの下肢静脈瘤→レーザー治療のページに掲載しているように、使用状況はヨーロッパ各国、米国、韓国などで3年半以上にわたって使用されており、米国では30000例以上(2005年度)行われている手術です。重篤な副作用が報告されていません。静脈瘤の再発も殆どありません。コスト的にも低コストであります(手術代) 手術は(伏在静脈瘤の場合)伏在静脈にイントロデューサーを介してレーザーファイバーを挿入し、超音波エコーにて位置を確認しながら、伏在静脈・大腿静脈のジャンクション(SFJ)から約2cmの所にて固定。その位置から、ファイバーをゆっくり手前に引きながらレーザーを照射していくと血管壁が収縮し閉じていきます。手術に要する時間は準備も入れて30分~60分です。 また何か分からないことが有れば、お気軽にお問い合わせ下さいませ。宜しくお願いします。

◆ 静脈瘤は放置されがちな病気ですが治療始めてみませんか?

©2016 shinsenkai imabari daiichi byouin